細菌性とウィルス性・化学物質と自然毒による食中毒の種類と症状

   

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218794食中毒を引き起こす原因となる物質は実に多く存在します。細菌やウィルス、化学物質に自然毒など。こちらでは、食中毒の原因となる物質ごとに種類や潜伏期間、症状などをまとめています。

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細菌性食中毒の種類と症状

細菌性食中毒には、『感染型』と『毒素型』の2つがあります。以下に、それぞれの特徴と、代表的な菌の種類、細菌別の症状をご紹介します。

 

◆◆感染型◆◆
体に入った細菌が増殖しておこる食中毒です。
(代表菌~魚介類や肉、卵についたサルモネラ菌・病原性大腸菌・カンピロバクター・リステリア菌)

 

【感染型細菌別代表的な症状例】
■サルモネラ菌
潜伏期間:半日~2日間
症  状:激しい腹痛、おう吐、下痢、発熱(38度~40度)を発症し、3,4日し症状が和らぎます。

 

■病原性大腸菌
潜伏期間:2日~7日間
症  状:激しい腹痛、おう吐、下痢(腸内の血便を伴う)、発熱を発症し、重症化すれば急性脳症などが起こり命にかかわることもあります。
回復経路をたどれば、10日から2週間で症状が治まります。

 

■カンピロバクター菌
潜伏期間:1日~7日(平均2,3日)
症  状:腹痛、下痢、発熱、めまい、倦怠感、筋肉痛など初期は風邪に間違えられやすい。

 

■リステリア菌
潜伏期間:7日以上
症  状:致命率が高い。初期症状は発熱、筋肉痛、吐き気、下痢など風邪やインフルエンザかと思われる症状から、頸部の硬直や平衡感覚の障害、痙攣などが発症するケースがあります。
妊婦が感染すると胎児にもうつる可能性が高く、胎児が死亡したり、髄膜炎や脳障害が残る例があるとされているため、特に注意が必要です。

 

◆◆毒素型◆◆
毒素を出した細菌が含まれた食材でおこる食中毒です。
(代表菌:おにぎり、サンドイッチなど加工穀物食品に発生した黄色ブドウ球菌・ボツリヌス菌)

 

【毒素型細菌別代表的な症状例】
■黄色ブドウ球菌
潜伏期間:平均3時間
症  状:激しい吐き気、嘔吐、下痢、腹痛を伴いますが、大抵24時間以内に症状が治まってきますが、まれに脱水症状になる場合もあるため、楽観視はできません。

 

■ボツリヌス菌
潜伏期間:18~36時間
症  状:口の中の乾燥や複視、眼瞼下垂、光による瞳孔が収縮しなくなるとともに、吐き気や嘔吐、胃けいれんや下痢も発症する事があります。神経の損傷をおこしますので、筋力に影響を及ぼし、腕や脚の筋肉と呼吸に必要な筋肉がしだいに弱くなり、症状は体の下部に広がります。
自然界に存在する毒素としては、最も強力な細菌と言われています。

ウィルス性食中毒の種類と症状

ウィルス性の食中毒とは、ウィルス感染者のつばや排泄物から感染し発症する食中毒です。
(代表ウィルス:ノロウィルス・ロタウィルス)

 

【ウィルス別代表的な症状例】

■ノロウィルス
潜伏期間:1日~2日
症  状:発熱、おう吐、下痢を繰り返し、通常は2,3日後、体内のウィルスが排出されると次第に回復していきます。おう吐や下痢が治まっても、脱水症状による頭痛が残る事があります。
また、ノロウィルスは空気感染もしますので、ノロウィルス発症者の排泄物の取り扱いは特に注意が必要です。必ず使い捨て手袋やマスク、塩素系の消毒液などを準備して対応しましょう。

 

■ロタウィルス
潜伏期間:1日~3日
症  状:冬場の主に乳幼児に発症します。
突然の嘔吐が始まり、水様性の下痢(米のトギ汁の様な白色または黄白色)、発熱や腹痛。
1週間ほどで回復に向かいますが、他の胃腸風邪症状よりも重い傾向があり、脱水症状を併発しやすい為、水分の補給は必ず必要です。

化学物質による食中毒の種類と症状

化学物質による食中毒とは、主に、農薬や洗剤、食品添加物などの有害化学物質を誤飲することによって発症する食中毒です。一般的な食中毒に多い細菌性のものと比べると、発生頻度は低いものの、発生してしまうとニュースになるような大事件になる事が多いものです。

 

【有害化学物質の種類】

■農薬
DDTやメタミドホスなど農薬の植物への残留や、汚染、誤用により食中毒を引き起こします。

 

■金属
重金属などで汚染された土壌から流出した水を使用する事や、食品への混入により食中毒を引き起こします。
・ ヒ素
・ 銅
・ カドミウム
・ スズ

 

■有害な食品添加物
・甘味料:ズルチン、エチレングリコール

・保存料:ホウ酸、ホルムアルデヒド、サリチル酸、ソルビン酸ナトリウム、フッ素化合物、デヒドロ酢酸

・着色料:オーラミン、ローダミン、バターイエロー

・漂白料::ロンガリット

・殺菌料:AF2

・調味料:粗製アミノ酸醤油

 

■ 魚に存在する「ヒスタミン」

 

【有害化学物質による食中毒の症状】

化学物質による食中毒は、その原因物質によっても症状が多岐にわたります。
吐き気やしびれ、アレルギーに似た蕁麻疹やかゆみ、手足の麻痺や、視力低下、胃腸・肝臓・腎臓などの内臓障害、中枢神経の障害による生命にかかわる症状まであります。

 

自然毒による食中毒の種類と症状

自然毒による食中毒とは、毒キノコに代表されるような、植物や動物が持つ毒によって引き起こされる食中毒です。

 

■植物性:キノコ・トリカブト・ジャガイモの芽・生の豆など
潜伏期間:10分~10時間(植物により大きく変わります)
症  状:摂取した植物により症状が多岐にわたりますので、代表的な物をご紹介します。おう吐、下痢、発汗、幻覚、しびれ、けいれん、興奮、肝臓腎臓障害、

 

■動物性:魚介類(フグや貝)・麻痺性貝毒・下痢性貝毒
潜伏期間:20分〜3時間
症  状:フグ毒と麻痺性貝毒による症状は、初期に唇や舌のしびれ、指先のしびれ、頭痛腹痛、歩行困難、呼吸困難、呼吸麻痺により8時間以内に死亡。

下痢性貝毒による症状は、下痢、はき気、おう吐、腹痛が主で3日ほどで回復し後遺症や死亡例もない。

 

■カビ性:穀類やナッツ類・腐った果実・
潜伏期間
症  状:小麦や米などの穀類に発生したカビによる症状は、下痢や皮膚の出血、白血球の減少があげられます。
ピーナッツやピスタチオなどのナッツ類に発生した猛毒カビによる症状は、昏睡、手足のけいれん、肝機能障害があります。

まとめ

食中毒は腐ったものを食べないだけでは防ぐ事ができません。食材にはもともと存在している細菌やウィルスもありますので、基本的には生食を避け、新鮮なうちに適切な調理を行い食べる事が基本となります。もしも直中毒かな?と思われる症状が出たら、重症化してしまいますので、下痢止めなどを服用せずに医師に相談しましょう。

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