心臓マッサージの回数やリズムは?骨折させたら責任がある?
水難救助などを想定した場での、心臓マッサージの回数やマッサージを行うリズムについて、水難救助の講習を受けてきた経験をまとめています。心臓マッサージではよく助骨を骨折させてしまうことがありますが、その恐れに対する考えや責任についてもご紹介していますので、参考にしてみてください。
心臓マッサージの回数やリズムは?
先日、小学校の夏休み自由水泳に向けての水難救助の講習会があり受講してきました。
地元消防署や消防団の方々による説明と、心臓マッサージ練習用の人形を用いた、マッサージの仕方や、AEDの使用方法なども受講してきましたので、備忘録としても、記録しておきたいと思います。
■いつ心臓マッサージを行うのか??■
今回は夏休みの水泳を想定し、その場で児童が溺れたりした際の救命救急の方法として心臓マッサージを学んだのですが、水泳時に限らず、あらゆる場面で意識のない人を発見した場合の手順を下記にまとめています。
①周囲に助けを求め、救急通報119をする人と、AEDを持って来る人を確保。その際には必ず二人とも現場に戻るように依頼する。(⇒依頼を受けた本人達には使命感が生まれ必ず戻ってくる)
②『通常呼吸』が無い事が確認できれば、即心肺蘇生、心臓マッサージを試みる。ここで『通常呼吸』と書いているところが、ミソです。
心臓が止まっているかどうか?の判断は一般人には外から分かりづらく、しかも現場は一斉にパニック状態、発見者である方も冷静でいることも難しいものです。ですので、せめて呼吸があるかないか?を確認し、10秒くらい待っても呼吸が感じられなければ、迷わずに応急処置として心臓マッサージを行います。
あくまでも『通常呼吸』です。呼びかけても反応がえられないのに、あえぐような、しゃくりあげるような苦しい呼吸をしている場合を『呼吸している』と考えるのは危険です。その呼吸は『死戦期呼吸』と呼ばれ、心臓が停止した直後に現れる呼吸なんです。
呼吸だけにとどまらず、脈が確認できなければ心肺停止状態であると判断ができます。
脈は手首や両喉に手を当てる事で確認がとれますので、素人でも見つけやすいかもしれません。
■心臓マッサージの回数やリズムは?■
心臓マッサージを行うには一定のリズムで、絶え間なく救急車が到着するまでの間行う必要があります。心臓のポンプの動きを再現していますので、リズムが一定でない、回数が少ないとなると、心肺蘇生に繋がりませんので注意が必要です。
【心臓マッサージの回数は?】
目安として、マッサージを行う回数は一分間に100回~120回とされています。30回の心臓マッサージと人口呼吸2回をワンセットとして行い、絶え間なく行う必要がありますので、体力勝負となるでしょう。ですか、心肺停止は1分1秒を争い、心肺停止から10分を過ぎると急激に救助できる確率が下がってしまいますので、迷う理由はありませんよね。
中には人工呼吸の仕方が分からないという方もいるでしょう。そんな場合には、応急処置として心臓マッサージだけでも必ず行いましょう。
【心臓マッサージのリズムは?】
1分間に100回から120回の心臓マッサージを行うのですが、一定のリズムで行わなければなりません。そのリズムの目安になるものは、
・アンパンマンのマーチ
「アンアン、アンパンマン、やさしいきみは~♪」のリズム
・カメ
「もしもしカメよ~カメさんよ~♪」のリズム
上記のリズムに合わせてマッサージを行うと一定のリズムで心臓マッサージが行う事ができます。
心臓マッサージ骨折させてしまったら?責任は?
心臓マッサージというのは、体のおよそ三分の一ぐらい胸を押し下げるほどに行うものです。そのため、助骨が骨折するという事も頻繁に起こるようです。
しかし、一分1秒を争う命の危機の場面に遭遇しているのです。意識が無く、呼吸が止まり心肺停止しているままでは、心臓マッサージを行わなくても、確実にそのまま死に向かうしかありません。骨折により死亡するケースは稀ですので、一切の迷いなく心臓マッサージを行うようにしましょう。
また、応急処置を行っている人は、
『万が一骨折させてしまったらどうしよう、責任とれない…』と躊躇するかもしれませんが、その場合の責任というのは問われない事になっています。
参考:民法 698条 緊急事務管理、刑法 第37条 違法性阻却事由によって、悪意又は重大な過失がなければ違法性は無い
何よりも救命が第一。心配蘇生に成功した後、骨折などの外傷は時間をかけて治癒していくものです。骨折を恐れていては命そのものを助ける事ができませんので、迷う必要は全くありあません。
また、心臓マッサージを行っている最中に助骨が骨折する感覚があったとしても、怯える事無く、心臓マッサージを継続しなければなりません。
まとめ
心臓マッサージを行う機会は誰もが多くはもっていません。ただ、いつ何時そんな場面に遭遇するか想定も出来ないため、おおまかな救命救急の方法を学べる機会があれば学んでおいても損はありません。命について深く学べる機会となり、私自身とても良い機会となりました。