重陽の節句とは?おススメの食べ物やお風呂、菊酒の楽しみ方
他の節句に比べて知名度が低い印象の『重陽の節句』ですが、実は形をかえて慣れ親しんだ行事にもなっています。こちらの記事では、重陽の節句の意味や、行事食である食べ物や過ごし方、代表的な菊酒の楽しみ方などをご紹介しています。
重陽の節句とは
重陽の節句(ちょうようのせっく)とは、3月3日のももの節句や、5月5日の端午の節句に比べ、あまり知られていない節句ですが、実は、一年の間に5つある節目とされる節句のうちの一つなのです。
【五節句(節供】
①一月七日:人日(じんじつ)の節句:七草の節句とも呼ばれ、無病息災を願う。
②三月三日:上巳(じょうし)の節句:ももの節句として慣れ親しまれ、女の子の成長を願う。
③五月五日:端午(たんご) の節句:菖蒲の節句とも呼ばれ、男の子の成長を願う。
④七月七日:七夕(しちせき)の節句:星祭り、現在の七夕のようなもので、技巧の向上を願う。
⑤九月九日:重陽(ちょうよう)の節句:菊の節句として 不老長寿を願う。
『重陽の節句』としては現代ではあまり浸透出来ていませんが、戦後に制定された、9月15日を敬老の日としたのには、『重陽の節句=不老長寿を祝う』という意味合いが生かされました。(ハッピーマンデー制定後は9月の第三月曜日)
重陽の節句と敬老の日は別物ではありますが、不老長寿を願い、また、長寿を祝うという意味においてはしっかりと現代にも形を変えて残っているのではないでしょうか。
重陽の節句の食べ物は?
重陽の節句そのものが、あまり一般に浸透していない(いやほとんど知らないかも・・・)ので、その日を代表する食べ物や行事食は?と聞かれても即答するのは難しいですね。
代表的なものには、長寿を願い飲むとされる『菊酒』と、重陽の節句に食べる習わしが江戸時代からあったとされる『栗ご飯』や、秋を代表する野菜の『秋ナス』があげられます。
普段菊を食べる機会は少ないですから、この機会に食用菊を使った献立を考えてみるのもよいかもしれません。
また、菊を食べることに抵抗があれば、菊酒や、菊花のハーブティー、もしくは菊の花を浮かべたお風呂につかる『菊湯』もおススメです。
菊湯を楽しむならば、乾燥したもの、生の葉や生の花を浮かべてもよいでしょう。
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菊にはカンフェンなどの精油成分があり、血行を促進し痛みを和らげて、保温効果も高いので、重陽の節句のハーブ湯としてピッタリですね。
重陽の節句の菊酒はどのようにして飲む?
重陽の節句(ちょうようのせっく)には菊酒を飲むといわれています。さらに、菊の節句とも言われています。
その由来とは、早朝に菊の花にたまった朝露を飲むと長寿によいといわれているのですが、この節句の日に宮中で天皇が菊酒を臣下に賜ったという古事から発祥しているようです。
重陽の節句に菊酒を飲むのであれば、早咲きの菊の花を器に入れておき、そこにお酒(日本酒)を注いで長寿を願うというのがよいのではないでしょうか。
ただし、旧暦の9月9日ですから、現在の9月9日は残暑厳しく、まだ菊の花が咲いていません(*_*;
現代なら、食用の菊などを手に入れて、それをお酒に浮かべるだけでも良いかもしれません。
また、色の濃い菊はアクが強いので、菊花を入れるのであれば薄い色のものがよさそうです。
重陽の節句のまとめ
旧暦と現在の新暦では季節感に誤差が生じているため、なかなか、本来の節句の楽しみ方をとりいれるのが難しい場合もあるかもしれませんが形を変えて、不老長寿を願い、また長寿を祝うといった現代の過ごし方ができるはず。シルバーウィークと重ねて、食事やお風呂、お酒などに工夫してみてはいかがでしょうか(^^♪